額縁から描く


これは昨年のグループ展に出品した小品です。

小さい絵(はがきサイズ)なので、額縁の面積が比率として大きいです。

ですから、必然的に額縁に合わせた絵を描くことになります。

基本的に写真立てのようなもの。

額縁として、人物があらかじめ想定されているように感じます。

モチーフやモデルを探していていもラチが開かないと考え、全く何も見ないで描くことにしました。

親子のようでもあり、恋人同士のようでもあり、全く無関係の人同士のようでもあり、インド人のようでもあり・・・。

あっけらかんとした表情より、少し憂いや激しさがあった方が面白いかな、とも思い自分の中にあるものを探り当てるようにして線描して行きました。

頭に浮かんだイメージを徐々に鉛筆で描いていくと、次第に興が乗ってどんどん発想が展開して行きます。

この絵は小さいので、ここまでですが、6号と8号とかになると描いていてもっと楽しくなります。

昔はそんな力は無かったかもしれません。

いろいろ勉強していくうちに、自分の心の引き出しにたくさんのモチーフやイメージやイディオムやらが貯蔵されて、好き勝手に描ける力が付いたのだと思います。

絵は楽しいものです。