多摩美合格おめでとう!


当研究所のYKさんが多摩美術大学油絵科に合格しました☆

おめでとうございます。

YKさんのアトリエで習作の一つです。

元々物を写す力はありました。
しかし美大受験においては、それだけでは通用しません。
いろいろなカリキュラムがある中で、今日は作家研究ということに絞って書いてみましょう。

4月から6月にかけて油絵科の学生二人と私とでイタリア生まれの作家=クレモニー二の研究を重点的にやりました。(もう一人の学生HKさんは秋に推薦入試で女子美に合格しました。)


何人かのプロの作家を見せて、その中から選んでもらったのです。
自分が学んでみたい、と積極的になることが大事です。

何十枚かのカラー図版を見ながら、作家のテーマとコンセプトを分析して行きます。
これはもちろん言葉で解釈していきます。
私がまず模範的に分析して、学生に他の絵の分析をやってもらいました。

絵のテーマとコンセプトの違いについてまずは理解してもらう必要があります。

絵のテーマとは、例えば『愛』とか『平和』とか『対話』とか『共存』とか『成長』とか、そんなものですね。

絵のコンセプトは、その下位に位置する方法論のことです。
形、構図、色彩、イディオムなどを分析して方法論を探ります。
この作業が大切です。
そしてそれは、こうした絵の教室でないとなかなか自力では出来ません。
作家研究とは、まずそのコツを教わらないと出来ないものです。
どうしても表面的なものになってしまいます。
最初は指導してもらうことで深い所を学んでもらいます。

そして次に気に入った図版から模写をやってもらいます。

二つの例を掲示します。(ともにF10号)

省略の仕方、空間構成、透明感、面白い発想、絵の具の使い方、などを実施に学んでもらいます。

最終的にクレモニーニを意識した静物画を描いてもらいます。

それが冒頭の一枚であり、下の作品でもあります。(上の足の石膏静物はF15号キャンバス油彩。下の静物はB3サイズの紙にアクリルです。)

多少ぎこちない所はあるものの、それなりにこなしています。
完璧ではありませんが、成果は上がっています。

よく美大の説明会に行くと、学生が教授に自作を見てもらっている風景に遭遇します。
そしてよく先生に言われることは「あなたの言いたいことは結局何なの?」ということ。
それってつまり、絵のテーマを聞きたいのではなく、絵のコンセプトを聞きたいのです。
しかし、受験生はあまりその辺が理解出来ていないので、モヤモヤとして終わってしまいます。

私はその部分を重点的に教えています。

物をただ写すだけでは絶対に駄目なのです。(特に受験においては・・・。)

絵で大切な根幹を成す部分。
それはやはり絵のコンセプト、ということになります。

これから受験を考えている学生の方は、是非当研究所に学びに来て下さい。
たくさん教えたいことがあります。

ちなみにYKさんは東京芸術大学油画科の一次試験(デッサン)にも合格しています。
力は確実に付いています。