静物デッサン


昨日=1月16日。
受験生のためにデッサンのデモンストレーションをしました。

デモは、当教室の指導における柱の一つであり、たいていは個人教授的に行われます。
つまり休みの日を使って時間限定で行うのです。
(他の生徒さんがいると、そちらの指導もしなければならないので、時間が測れなくなりますからね。。)

ということで、今回も高校3年生一人を対象に行いました。

まず、モチーフが↓です。(ほとんどが学生の選んだものです。)
セットにも神経を使います。
天地左右が最初に考えることです。
天地左右は、それぞれ一点づつが良いでしょう。
二点あると、それは”揃う”ということになって動きが無くなり窮屈な印象になってしまうのです。

美大入試の試験時間は、デザイン科の場合、3時間で描かせることが多いです。
なので、私も基本3時間で進めます。
用紙サイズはB3となります。(画用紙です。)

これで1時間半。
いわゆる『ベース』と言われるものです。
ここで重要なのは、形態感と空間感です。
物(モチーフ)は4Bのみで描いています。
それに対して台の調子はBとかHとかを使用しています。
台はたいていツルツルしているので、硬めの鉛筆の方が表現しやすいのです。

そして必ず3m離れて自分の絵をチェックすることが大事です。
手の届く距離で見る形と遠目とではけっこう形が違って見えたりするのです。
一個一個の形の確認や空間を点検します。
他人の絵を意地悪く見る時にようにネットリ観察します。笑

後半戦は楽しい描き込みの時間です。
ディテールを投入して説得力を持たせます。
しかし、あまり細部に拘ってもいけません。
あくまでも全体感の中で仕事をしないといけません。

最終的に形態感と空間感のチェックをして終了。

今回は、針金みたいなモチーフとワイングラスが複雑で手こずりましたが、3時間という枠の中ではこんなものでしょう。
大切な柱はあくまでも
1 形態感
2 空間感
3 材質感

なので、それらが踏襲されていればOKなのです。

さあ、これで学生も何かを掴んでくれたでしょう☆

あと何枚か描いて、今まで培ってきた力を遺憾なく発揮して合格をもぎ取って下さい!!