第64回YB会員会友展 


先々週になりますが、横須賀文化会館に『第64回YB会員会友展』を見に行きました。

90点を超える絵画・版画・彫刻などの作品が楽しめました。

今年も当研究所にゆかりのある会員さんの作品を紹介して行きましょう。

まずは、原さんの作品『望郷』です。

写真が悪くてすみません! スポットライトの光が強く出てしまいました・・・。
しかしながらとても完成度の高い作品です。
モデルさんは、衣笠にあるインドカレー店=サンガムの奥様です。(他でお仕事はされてますが、サンガムさんのオーナーの奥様でございます。)
当研究所の人物写生会でデッサンしたものを起こしてここまで描かれました☆
とても雰囲気が出ていますし、見どころが随所にあります。
腕の黒いレースの表現は凄いですし、金色の装飾も細かいです!
背景の処理もとても魅力的ですね。土産物屋のネパール人形を上手くグレーイッシュに描いています。
もちろん顔の描写も絶品です☆
原さん、乗りに乗っています!!

次は橋本さんの『たみさん』。

コスモスのような花を持ったたみさん。
ポエムがありますね☆
当たり前のように描いていますが、普通人間の顔を描こうとした場合、どうしても日本人なら特に髪の毛を、黒っぽくまずは描いてしまいがちです。
しかし橋本さんは、顔で使っている色と同じ色で髪を描いています。
そし花の色とも響き合うように明るい黄色が用いられています。
こうした色使いはボナールを彷彿とさせますね。
三原色とも言える赤・青・黄色を柔らかく使うことによって幸福感を演出しているようです。

お次は加山さんの『秋の水辺』。

おそらく場所はどこでも良いのだろうと思います。
心象風景のように見えるからです。
季節は秋。時間は夕方かもしれません。
向こう岸のあずま屋には光が漏れているようです。
人がたくさんいることは間違いありません。
そして湖には鴨がたくさんいます。(手前の鴨は母娘のようにも見えます。)
色彩的には寒色系ですが、内容的にはハートウォーミング。 温かい絵ですね。
そして手前の舟が気になります。 きっとこの舟であちらまで行けるのでしょう。
あちらの世界も家族がたくさん賑やかな桃源郷のような世界なのでしょうね。

次は人物写生会でいらして下さっている相川さんの『冬日向』。

服装と画中画の紫陽花とによって、季節は初夏であると推察されます。
若い女性の人生の時間(春夏秋冬における初夏)を示しているようであり、爽やかな印象を受けます。
決して奇をてらうわけではなく、良い意味で、とても素直な絵だと思います。
昨今テクニックを誇示した絵が流行る中で、この作品は細密描写に走らず、あくまで全体感を大切にし、なおかつ抑えるべく所はちゃんと抑えて、見る人を安心させてくれますね。
手の確かな描写や2つのハイヒールの距離感をキチンと表現していてお見事です☆

次はいつもお世話になっている沼田先生の『団地風景』。

最近は奥に海が見える構図で風景を描かれることの多い先生ですが、今回は比較的新しい住宅地を描かれています。
人間はいませんが、描こうとされているテーマはやはり”人間”なのだろうと思います。
市井に生きる平凡な人々を優しい眼差しで表現されているように思いますね。
先生のお人柄がいつも伝わって来ます。
造形的に見ると、垂直線をわざと斜めにして描かれているようです。
家屋もそうですし、電柱も様々な角度で傾いでいます。
電線を描かないことで煩雑な印象を回避しつつ、家並みだけの単調さから脱却している絵だと思います。

最後はうちとは関わりがありませんが、特に印象的だった作品を紹介します。

村井タカさんの『目の玉』。

釉薬をかけた陶芸作品のようです。
作品左に見えるパウロの文章を読むと、この作品の意味が分かります。

感動しました。