クサカベ絵の具のアートマテリアル・フェア


 少し時間が経ってしまいましたが、去る7月1~3日、上野の森美術館別館ギャラリーにて、絵の具会社のクサカベさんが、画材見本展示会を行っていたので、行ってまいりました。

 まずは、昔ながらの天然顔料を使った高級絵の具シリーズ=GEM SERIES

ラピスラズリという青色はチューブで20,000円もします!
孔雀石で12,000円ですか・・。

甲賀さんにお聞きしたら、主に中国に下ろしているとか。。
チャイナマネー恐るべしでございます☆

 これは速乾性のリンシードオイルです。
乾性油と言われるもので代表的なのは、ポピーオイルとリンシードオイルがあります。
元々リンシードオイルは乾きが早いのですが、さらに早くしました。
24時間で乾くそうです。
シッカチーフを入れないで一日で乾くのは早いですね。
きっと描き心地も良いのでしょう。
試してみたいと思います。

 これは分散剤と言われるもので、例えばテンペラや日本画などで、細かい粒子の顔料(岩絵の具)を溶剤に混ぜ合わそうとすると、はじいて上手く浸透してくれない、ということがあります。
それを改善する溶液とのことです。

助かりますね。
今度使ってみましょう♬

これはクサカベ、今季の新色です。
ルミナスシリーズ。
発色はとても良いです。
しかし蛍光色なので、耐久性に弱点があります。
ちなみにフレッシュピンクという色が以前からありますが、これも蛍光色に白を足して明るいピンク色にした絵の具。
もちろん耐光性は弱いのだと思いますが、数年で退色する、ということもありませんね。
50年・100年規模だと分かりませんが、まずまず使える絵の具だと思っています。

 これはアキーラですね。
クサカベが社運をかけて開発して売り出している絵の具。
アクリル絵の具がアクリル樹脂なのに対して、アキーラはアルキド樹脂を使用したものです。
写真一番左の、『スキージー』という技法が面白いと思います。
これを少し研究して教室に活かしたいと思います☆

拡大版。
どれも魅力的なテクニックです。

絵画というものは古典的なジャンルなので、材料の体系も確立しています。
なので、アッと驚く新しい絵の具であるとか、テクニックであるとか、オイルであるとか、革新的なものはなかなか生まれませんし、そもそも期待も、そんなにされていないでしょう。
そこはCG(コンピューター・グラフィックス)とは大きく異る所です。

しかしながら、絵の具メーカーさんも少しでも新しいメニューを加えようと必死です。
それは企業であれば当然のこと。
そうした企業努力をユーザーは全く無視するのではなく、同時代人として、楽しく伴走していいと思ってます。

衣笠洋画研究所でも、積極的に新しい画材やテクニックを紹介して参りたいと思います。