3月に入って、美大受験生もだいたい進路が固まった時期かもしれません。
衣笠洋画研究所では、今年度、とりあえず5人中4名の行き先が決まりました。
新しい環境で、さらに才能を伸ばして下さい!
まずは、多摩美術大学環境デザイン合格のFさん。
当初、行きたい科が決まらず、デッサン力アップに力を注いで勉強しました。
石膏=ラボルトのデッサンですが、ゴロンとした量感がキチンと表現出来ていて、なかなか調子も綺麗です。
ここまで来るのに、意外と枚数はかかりませんでした。
これも木炭紙大サイズで、力作ですね。
とても良いデッサンだと思います。
木片を自分で組んで空間表現したのち、デッサン、さらに色彩表現へと繋げました。
シャープで切れの良い平面構成となっています。
これは推薦入試の課題に準じて制作したもので、【アリの巣】をイメージしています。
空洞を立体化したもので、その逆転の発想には驚かされました。
ここにFさんの受験体験記を掲載致します。
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私は高校1年の終わりに美術方面の進路を決め、2年の夏に衣笠洋画研究所に通い始めました。
デッサンは学校で1、2度やったことがある程度の初心者だったので、立方体のモチーフから始まり、静物デッサンや石膏デッサンと段々難易度が上がっていくのが大変でしたが、楽しかったです。
私は美大進学を決めたもののしばらくの間どの学科を受けるか迷っていました。そんな中、自分の家の庭を手入れしたり、植物が好きなことを思い出して、庭のデザインをしたいと思い当初全く興味のなかった環境デザイン学科の受験を決めました。
私は推薦入試を受けたのですが、空間デザインの課題が特に苦手でした。昔から発想力がなくそれを補うために暇な時間はコンセプトや立体のイメージを考えていました。
試験本番、小論文も空間デザインの課題も上手くいき自信満々だったのですが試験終了後に自分の作品を壊すという大失敗をしました。しかし、これは過ぎたことでありあまり重く受け止めない方がいいと考え、翌日落ち着いてプレゼン面接をしてきた結果、無事合格することが出来ました。衣研で推薦入試に向け何度も作品を作ったり小論文を書いてきたというのも落ち着いて試験を受けれる鍵になったと思います。
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次は玉川大学合格のMさんです。
それぞれの立体を素直に表現して好感の持てる静物デッサンとなっております。
【光】をイメージした色彩構成です。 文字を使う条件でした。
落ち着いた、丁寧な塗りは、非常に説得力を持ちますね。 素晴らしい仕事だと思います。
これは、アルファベットのオブジェを元に色彩構成しています。
グラデーション表現は点数を稼ぎます!
これは作家研究から生まれた作品。
デザイン科の学生は、著名作家からデザインのノウハウやイディオムを分析して、自分の血肉にする勉強が欠かせません。
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次は京都芸術大学(旧京都造形芸術大学)合格のKさん。
樹根の塊感を追求しています。
さらに大事なことは、受験のデッサンにおいて、台をキチンと描くことが大きくポイントを稼ぐことに繋がるのだ、ということを認識していただきたいですね。
普段履いている自分のスニーカー。 思い入れを感じますね。
Kさんは、子供に絵を教える先生になりたいとのことです。 絵を描くことの楽しさを教えることが出来たら、本当に素晴らしいことですね☆
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最後は、宝塚大学に合格したOくん。
試験では、デッサン + 国語 + 面接 でした。
彼は英語が若干苦手だったものの国語は出来ていました。
これは合格後、と言いますか、今日描き終えたばかりの油絵(F10)です。
行き先が決まった安心感からか、堂々たる意識を感じます。
構成がとても秀逸ですね。 彼はゲーム会社に入りたいと考えているようです。
がんばれ!!
とエールを送りたいと思います。