横須賀市文化会館にて、第63回横須賀美術協会(YB)会員会友展が行われました。
当研究所関係では、まず入り口入ってすぐに原さんのF100号の大作が堂々と飾られていました☆
お題に関しては今年のテーマ課題である『松竹梅』ではありますが、描きたいものをトコトン描く、という姿勢は見事です!
特にモデリングペーストで盛り上がった画面上部の梅と、扇の形をした蒔絵が特にチャレンジでしたし見応えあるものになっています。
着物のデサインも松竹梅に合わせてオリジナルにしました。
お顔のモデルは、当教室出身者です☆
原さんは、この100号ともう一枚100号を描いていらして、とうとう肩が腱鞘炎になってしまいました!
それだけ夢中で描いてらっしゃるんですね☆
私もそれくらい頑張らないといけないな、と思いました!!
次にご紹介するのは近藤さん。
写真だと色が潰れて見えてしまいますが、実際は綺麗で渋いグリーンですし、もっと複雑な表情を見せています。
近藤さんは、ありきたりな風光明媚なロケーションよりも生活感がにじみ出る景色や家屋を今度描かれます。
この絵もそうした“家のちょっと裏側”を見たようなアングルになりました。
飾らない普段着であるところが魅力です☆
次は井上さん。
教室での人物写生会で取材されたスケッチを元に油絵にしました。
実に綺麗なお嬢さんで、この絵で3~4枚は描いてらっしゃるのではないでしょうか。
とても丁寧な描写で迷いがなくストレートです。
肩口のレースの細かさも繊細な女性像の隠し味となっていますね。
元々は髪飾りとしての花はありませんでした。(井上さんの創作です。)
次は色の泉にいらして下さっている加山さん。
蓮の花を固有色ではなく、黄色と紫の補色で描いています。
特に主役的部分である右上の蓮が、紫から黄色にグラデーションとなり、かつ色が反転するテクニックを用いて大きなポイントとなっています。
建築物を思わせる形もあり、ちょうど鎌倉の近代美術館を想起させますね☆
ポエムとしての絵となっています。
次なるは、橋本まちこさん。
ご自身のスタイルを持ってらっしゃる方で、この絵では従来の家族の描き方にプラス、しばらく取り組んでらした完全抽象の要素を導入して、今までに無かった境地を開拓しています。
親子の成長を謳ったようにも見えるし、夏の入道雲の激しさを描いているようにも思えます。
簡単に解釈出来ない所がきっと魅力なのだと思います。
最後にご紹介するのは、以前講師をやって下さった白日会の沼田先生。
海を臨む感激が表現されています。
「もうすぐそこは海だぞ! 早く砂浜にたどり着きたいな☆」と誰しもが思います。
空や雲が伸びやかでいながら確信犯的に取り入れられた電線がボートの帆布の曲線とリフレインして画面に動きと変化を与えています。
素晴らしいですね。
YB公募展の方は6月となります。
皆さんの新作が今から楽しみです♪
あと、六本木の新国立美術館で開催中の日仏現代国際美術展。
その会員の塩崎淳子先生が栄えある文部科学大臣賞を受賞しました!
おめでとうございます!!
『無辺へ』と題されてますが、無辺とは広大なこと、といった意味でしょうか。
広大な地へ誘う如来と菩薩は来迎図かもしれません。
如来は大抵装身具を付けない簡素な姿でありますが、塩崎先生の真ん中の像は体幹に装飾が施されています。
そこがオリジナルな表現となっていると思われます☆
とても美しい作品です。